「椅子」は私たちにとってとても身近なものです。「もっともよく使う家具」のうちのひとつだといえるでしょう。そんな特別な家具だからこそ、アンティークでそろえたいと思われる方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、
・アンティークチェア・アンティーク椅子とは何か
・アンティークチェア・アンティーク椅子の種類
・アンティークチェア・アンティーク椅子の選び方
・アンティークチェア・アンティーク椅子のメンテナンス方法
を紹介します。
長いパートナーとなるアンティークチェア・アンティーク椅子を選び、使っていくための参考になさってください。
アンティークチェア・アンティーク椅子とは
アンティークチェア・アンティーク椅子とは、古い年代に作られた時代物の椅子を指します。一般的に、「アンティークチェア・アンティーク椅子」というと、単純に「古い」というだけではなく、デザイン性が優れていたり、芸術性が高かったり、貴重な木材や職人技術で作られていたりするものを指します。
長い歴史のなかでも壊れることなく(あるいは壊れても丁寧に修復され)現代まで生きてきたアンティークチェア・アンティーク椅子は、美しくもしっかりとした存在感を放ちます。テーブルなどとセットで購入されることもありますが、アンティークチェア・アンティーク椅子だけで取り入れてお部屋のアクセントにするのも良いものです。
アンティークチェア・アンティーク椅子の種類
アンティークチェア・アンティーク椅子は、デザイン別に分けることもできますが用途別に分けることもできます。今回は主に「用途別での分け方」を取り上げます。
用途でアンティークチェア・アンティーク椅子を分ける場合は、以下に大別されます。
1.ダイニングチェア
2.カウンターチェア
3.キッチンチェア
4.子どもに関わるチェア
5.アームチチェア
6.ソファ
7.ロッキングチチェア
8.その他のチェア
それぞれ解説していきます。
1.ダイニングチェア
アンティークチェア・アンティーク椅子のなかでもっともイメージしやすいのが、「ダイニングチェア」でしょう。
名前の通り、食事をするために使う椅子です(もっとも、「この椅子は食事に使ってはいけない」などの明確な区切りがあるわけではないので、ほかの椅子でもダイニングチェアとして使うことは可能です)。
ダイニングチェアは、さまざまな販売方法がとられているものでもあります。アンティークチェア・アンティーク椅子の場合は「ダイニングチェア1脚」「ダイニングチェアを4脚」「ダイニングチェア複数脚と、ダイニングテーブルのセット」などのように多種多様なかたちで販売されています。
「ダイニングテーブルと合わせて統一感を出したい」ということであればセットでの購入がおすすめですが、1脚だけでも非常に存在感が出るのでバラ売りで購入するのもよいものです。
なお、弊社ではダイニングチェア用の合成皮革やファブリックも取り扱っています。
2.カウンターチェア
バーなどに置かれている背の高い椅子である、「カウンターチェア(別名:ハイチェア)」のスタイルの良さに魅せられたことのある方も多いのではないでしょうか。
アンティーク家具の分野でも、カウンターチェアの取り扱いがなされています。ご自宅でご使用になる場合は、カウンターキッチンなどにおいて使うことになるでしょう。
デザインは多岐に富み、木で作られているものもあれば金属を使用しているものもあります。アンティークチェア・アンティーク椅子ですが、比較的新しいものも散見され、20年程度前の作品なども出ています。
3.キッチンチェア
キッチンチェアは、ダイニングチェアと混同されることも多いものです。ダイニングチェアは「食事をするときに使うが、お客様をおもてなしするときにお座りいただく椅子」としての性質が強いのに対し、キッチンチェアの場合は「いつもの家族での食事のときに使う椅子」としての性格を強く持つものです。ただしこの2つの違いはそれほど明確ではありません。そのため、ダイニングチェアをキッチンチェアとして使っても構いませんし、キッチンチェアをダイニングチェアとして使っても構いません。
アンティークチェア・アンティーク椅子のカテゴリーに分類されるキッチンチェアは、「庶民の木材」として知られたパイン材などをよく使用しています。また、背もたれがつけられていて過ごしやすいように工夫されているのが基本です。
4.子どもに関わるチェア
椅子は常に、子どもの成長とともにありました。そのため、お子さんの成長度合いに合わせるような椅子も多数開発されてきました。
たとえば授乳のときに使われた「ナーシングチェア」は、低く広い座面が特徴で座りやすくなっています。
座高が足りないお子さんがダイニングテーブルにつくための背丈の高い「ベビーチェア」も、アンティークチェア・アンティーク椅子で出ています。
もう少し大きくなってきたのならばキッズチェアを利用されるのも良いでしょう。昔の学校で使われていたものが多く出ています。
「この椅子に座っていた赤ちゃんや子どもは、もうおじいちゃんおばあちゃんになっているのだ」と考えると、アンティークチェア・アンティーク椅子の不思議な魅力を思わずにはいられないのではないでしょうか。
5.アームチェア
アームチェアとは、「肘掛け椅子」のことです。ゆったりとくつろぐことに特化した造りの椅子で、クッションをよく用います。
1人で座って使えるタイプのアームチェアもあり、ワインテーブルなどと合わせるとさらに贅沢な時間を楽しめることでしょう。
長く時間を経ても使い続けられるもので、リラックスタイムにぴったりの「特別な椅子」だといえます。
6.ソファ
「ソファ」を「チェア」に含めるべきかどうか? という話もありますが、ここでは含めてお話しします。
テーブルと同じように、「主役」を張ることのできる家具で、大きさもあり、部屋の印象を決定づける要素でもあります。
デザインは多岐に富んでおり、時代や作り手、国別のこだわりがもっとも表れやすい家具のうちのひとつといえるでしょう。
一般的なソファは、ひじ掛けと座面、そして背もたれで構成されていて、2~3人が座れるようになっています。しかしリラックスするときに使える「寝椅子」と呼ばれるものも海外ではよく造られていたため、現在の日本のアンティーク家具市場でもよく見られます。
7.ロッキングチェア
物語に出てくる、ゆらゆらとゆれる椅子・・・それが、「ロッキング・チェア(揺り椅子とも)」です。
非常に特徴的な外見をしており、独特の動きを見せます。一つ部屋に取り入れるだけで部屋の雰囲気を調整することができるため、「優しい空間」「和む空間」を作りたい方にも向いています。
他の椅子に比べて、脚の部分に負担がかかりやすい造りです。滑らかな動きができるかどうかを、よく確認してからご購入ください。
8.その他のチェア
それ以外にも、チェアの種類はいろいろあります。
折りたたみができるものもあれば、回転するタイプの椅子もあります。
また、ちょっと変わったところでは「ステップチェア」と呼ばれる椅子もあります。これは一見すると普通の椅子なのですが、ギミックを動かすことで階段状になる椅子です。ギミックが面白い椅子なので、インパクトも十分! その変わり身の早さは、見る人の心をわくわくさせてくれることでしょう。
小回りがきく「スツール」も人気です。小さいサイズで持ち運びがしやすいのが大きなメリットですが、アンティークチェア・アンティーク椅子のなかでは比較的安価で、10000円台でも販売されています。初めてアンティークチェア・アンティーク椅子を試すのだけど・・・という人にもよいでしょう。
アーコールチェアとは
アンティークチェア・アンティーク椅子の種類はさまざまですが、そのなかでも、「アーコールチェア」は独自の人気とファンを獲得しているものです。
アーコールチェアとは、イギリスの家具メーカーであるアーコール(ERCOL)から販売された椅子をいいます。このアーコールチェアは、家具デザイナーであるルシアン・アーコラーニが手掛けたものであり、第二次世界大戦後に売れ行きを伸ばしました。アーコールチェアの台頭の理由として、アーコールチェアは持ち運びも簡単で、扱いやすいものだったというものが挙げられます。第二次世界大戦後は人口が大きく増えましたが、そのような情勢と相まって、アーコールチェアは広く浸透していきました。
アーコールチェアは、扱いやすい椅子であると同時に、独特の丸美を帯びた柔らかいデザインが特徴です。「木を曲げる」という高い技術を使って生み出されるその曲線は、特に女性に人気であり、現在ではメディアなどにもよく取り上げられています。
シンプルで優しいデザインとなるため、どのような家具・インテリアにも合わせやすく、さまざまな空間で活躍してくれるのも大きな魅力です。また、デザイン性に富み、用途によって選び分けられるほどにバリエーションが豊富であることも、アーコールチェアのメリットだといえるでしょう。
なお、アーコールチェアは蒸気の力を使って気を折り曲げていくため、木の繊維が分断されることがありません。そのため非常に長持ちします。
ちなみに、「アーコール」というとやはりこの「アーコールチェア」が人気ですが、アーコール社はほかの家具も出しています。カップボードなどと椅子を合わせて使うのもおすすめです。
アンティークチェア・アンティーク椅子の選び方
アンティークチェア・アンティーク椅子の選び方に、明確な「正解」があるわけではありません。デザインやサイズが気に入ったのならば、ぜひお部屋に迎え入れてあげてください。アンティークチェア・アンティーク椅子に限ったことではありませんが、アンティーク家具との出会いは一期一会であるため、一度逃してしまうともう二度と巡り合うことができません。
ただ、それでも、「初めてアンティークチェア・アンティーク椅子を購入しようと思っているので不安だ」という方は、スツールから選んでみてはいかがでしょうか。上でも述べましたが、スツールは比較的安価であり、「初めてのアンティークチェア・アンティーク椅子」「アンティークチェア・アンティーク椅子の入門編」として取り入れやすいからです。
ダイニングチェアなどは「同じ柄・同じ物でそろえたい」と考える方も多いかと思われますが、スツールは1脚だけでも気軽に使うことができます。
小回りもききますし、取り回しもしやすくて、さまざまなシチュエーションで活躍させることができます。椅子として使わなくても、ベッドサイドに持ってきて文庫本やスタンドを置く・・・などの使い方もできます。
スツールで「アンティークチェア・アンティーク椅子の基本」を知ったのならば、今度はお客様用の椅子などに目を向けてみてもよいのではないでしょうか。普段は壁際などにコンソールテーブル(壁際に置き、小物などを飾るために使うテーブル)と一緒にインテリアとして飾っておき、お客様がいらしたら「椅子」として活躍させるのです。
アンティークチェア・アンティーク椅子は、「そこにあるだけ」で特別な意味を持ち、美しさと存在感を放つものです。お気に入りの一品をお手元に置いておいていただくのが一番ですが、迷ったのならば、小ぶりながらもしっかり主張してくれるスツールから試してみてくださいね。
アンティークチェア・アンティーク椅子のメンテナンス・お手入れ方法
長い時間、多くの人に愛されてきて、またその人々を文字通り支えてきたアンティークチェア・アンティーク椅子は、きちんと手入れをすることで100年以上使っていけるものになります。そのため、アンティークチェア・アンティーク椅子のメンテナンスは非常に大切です。
弊社ではメンテナンスと修復を経てから出荷していますが、お客様の元でもぜひアンティークチェア・アンティーク椅子を可愛がってあげてください。
木で作られたものや革張りのものの基本のお手入れは、乾いた布で拭きあげることです。ポケットがついているアンティークチェア・アンティーク椅子は、掃除機で中に溜まったほこりを吸い取るようにしてください。
クッションが付いている椅子は、ブラッシングで手入れをしていきます。硬い毛先のものを使うと座面が傷つきますから、や若いものを選ぶようにしてください。もっとも簡単なのは、「コロコロ」を使うことです。万が一、コーヒーなどをこぼしてしまったら、薄めた中性洗剤をしみこませた布で叩き、汚れを浮き上がらせてください。
また、「ぐらつきが出た」「自分たちでは直せない」という状態になったのなら、ぜひご相談ください。できる限り対応させていただきます。